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4. 逆光とPLフィルター


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                 新宿御苑に夏、来る!  

   
新宿御苑の夏。森の緑がぐっと深まり、風にそよぐ青葉新葉が心地よい。「母と子の森」がもっとも活気づく季節でもある。ジージー、ミンミンの単調な蝉の合唱に、子供たちの歓声がアクセントを添えてくれる。おじさんたちの姿も多いがみんな、モゾモゾ昆虫を探したり写真を撮ったりのひとり遊び。コガネムシがわんさとぶら下がるクヌギの木を教えてくれた昆虫おじさんに赤トンボを撮った場所を教えてあげたら、「ショウジョウトンボ?そんなの向こうの池の端にいっぱいいますよ」と相手にもしてくれない。おじさんの発見はアオイトンボにウチヤマトンボ、それから――そんなにいっぱい教えてくれても昆虫オンチにはわかりません。

ワタシはまっすぐそびえる大木やおもしろく曲がった枝、雑草などを眺め、写真に収めながら森をのんびり歩く。わき道の萱をかきわけ雑草を踏みしめて進むと、小さな池の裏側に出た。木々の葉が夏の強い光をまっすぐに受けて裏葉の陰影が美しい。逆光に浮かび上がる墨絵のようだ。「美は乱調にあり、諧調は偽りなり」という本の一節が頭をよぎり、大きく頭を振る。アングルを変えて立て続けにシャッターを切る。しかし、墨絵の濃淡が出ない!この光と影をどうすれば写せるのだろう。バッグを草むらに放り出し、帽子もかき捨て汗だくになって露出や絞りの値を変え、PLフィルターを調整して撮ってみるのだが、いくら撮っても同じこと。目の前の風景が切り撮れない。 


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帰宅して早速、撮影手引き書を引っぱり出す。「逆光下で木の葉を写す」のページを開くと、PLフィルターは逆光下では効果がないので外しましょうと書かれていた。「フィルターをつけていると光が遮断されて多くの露出量が必要になるので絞りを開き続けるかシャッタースピードを遅くしなければならず、そのためブレやピンボケの心配も出てきます」。

空や緑が美しく撮れると知って使い始めたPLフィルター。レンズ保護も兼ねてずっと付けっぱなし。正しい使い方とその効果も読んだが頭の片隅にも残っていなかった。他の指南書はどうか。どれも書いてあることは同じだった。「PLフィルターの効果は太陽とレンズの光の軸によって変化し、太陽がレンズの光軸から90度の位置にあるとき最も効果を発揮し、太陽が傾いたり沈んでいる朝日や夕陽では効果はない。また、サイド光のときに効果は強く、順光や逆光では効果はなし」 。あるいはまた、「PLフィルターは余分な反射力を取り除くことで鮮やかな色を引き出します」とも。

つまり、あの逆光に浮かびあがった墨絵のような木葉の陰影を写すにはなんの貢献もしてくれなかったのだ。そもそも名前からして偏光フィルターというではないか。なんというバカ。なんのために一日中、炎天下の新宿御苑を歩き回っていたのか。PLフィルターをレンズから外して、しばらくボーッと座り込んでいた。腹の虫がグーグー鳴っている。ショーガナイ。シャワーでも浴びて気を取り直すか。浴室で洋服を脱いでみると、あらまあ、腕や足は蚊や虫に喰われた跡ばかり。どうりであちこち痒かったはずだ。踏んだり蹴ったりとはこのことかとひとしきりぼやいてから、冷たいシャワー水を頭からぶっかける。あ~これでさっぱりした。気分一新。冷たいビールでも飲むか。写真を撮った日にアルコールを飲むと、スクリーニングをしながら眠ってしまうので飲まないことにしているのだが、今日はいいや、ビール解禁だ。

PLフィルターをつけないとどんな美しい森が描けるのだろうか。ぼやくのは止そう。そう、新宿御苑の木々が待っている。


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   昨日も今日も開園時間にやってきて閉まるまで「母と子の森」を隅々まで観察している
   昆虫センセイ(右)に昆虫のいる場所を教えてもらっている昆虫ブロガーのおじさん。
   この後、クワガタをみつけてふたりで狂喜していた。


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     こちらはザリガニ採りに熱中することもたち。
     石の間に逃げ込んだザリガニを逃がすまいと必死だ 


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  こちらは家族揃ってザリガニ取り。とても都心の真中とは思えぬ日曜の昼下がり。





     

 

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