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13. 紫陽花の怪

 
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6月、美しいガクアジサイが咲き始めました…と昨年までは思っていましたが、このアジサイはまだ開花していないのです。花と見えるのは単なるガクに過ぎず、ガクの真ん中にポツンとある小さい丸い粒こそがホントの花だというのです。 ただ、花といっても雄しべしかもたないため受粉ができない「装飾花」。ではホントのホントの花はどれか。それは真ん中の小さい粒の群れに咲くのです。

2-IMG_3261.jpg青紫色の蕾の群れにひとりだけ美しく開いている早熟な五弁の小さな花。これこそ雄しべも雌しべも揃ったホントのホントの「両性花」で、これらが咲いたときがアジサイの開花とされる。この両性花のまわりを大きな花びらのついた装飾花が額縁のように取り囲むのでガクアジサイと名づけられた。

「いえいえ、そんなに単純ではありませんよ」。新宿御苑で出会った紫陽花の観察に余念のない紫陽花博士が首を振る。

雄しべだけのはずの装飾花のなかに、雌しべも備えた受粉可能な立派な両性花もあるし、逆に真ん中の両性花のなかに、雌しべだけしかない雌性花か?と思われるものも時々見られるという。もっとも、これは両性花の花弁と雄しべが散ってしまって雌しべだけが残ったためにそう見えるだけとか。

これまでぼてっとした単純な花だと思っていたのに、なんという怪しさ、なんという複雑さ。そんな紫陽花をもっとややこしくしているのがまわりの環境に左右されやすいというその生態。

新宿御苑の「母と子の森」の入口に白く清純な紫陽花が咲く一画がある。その紫陽花の名は「紅ガク」。真っ白なのに何故、紅ガクなのか?


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「これがホントの色」と紫陽花博士が見せてくれた紫陽花の本の写真を見ると、なるほど鮮やかな紅色の花。ここでは周りの木々が大きく育ったおかげで陽が充分当らなくなり、紅色に色づかないのだ。「木漏れ日の射すこの辺りのだけがなんとか色づくけれど、せいぜいここまで」

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「陽だけでなく、紫陽花の花の色が咲きながら微妙に変化するのは、土壌も大きく関係しています。土壌のpHが酸性-中性-アルカリ性と変わると、花も青-紫-赤と変化するんだけど、その変化も種類や品種によっても様々で、その発色機構や色素の構造は、まだ解明されていない。さらに…」

いえ、もう結構、アタマがいっぱいです。片かじりの紫陽花の知識をひけらかすのはヤメトコー。ちなみに、この複雑怪奇な紫陽花の原産国はわが日本国でした。これにて本日の紫陽花講座はオシマイ!



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